外壁塗装をする際には、工事費だけでなく、諸経費という項目も見積もりに含まれています。諸経費とは、工事に直接関係しない経費のことで、現場管理費や一般管理費などがあります。諸経費は工事の品質や安全性にも影響する重要な費用ですが、見積もりでは内訳が明確になっていないことが多く、不透明な部分と感じる方も多いでしょう。

 

そこで今回は、外壁塗装の見積もりに含まれる諸経費について、相場や内容を徹底解説します。諸経費の目的や必要性を理解することで、適正な見積もりを判断する材料にしていただきたいと思います。

諸経費とは何か？現場管理費と一般管理費の違い

外壁塗装の見積もりに含まれる諸経費とは、工事に直接関係しない経費のことです。具体的には、現場管理費と一般管理費の二つに分けられます。

現場管理費とは

現場管理費とは、工事現場で発生する経費のことで、以下のようなものがあります。

 

労務管理費：現場管理作業員の人件費や作業用具代など
租税公課：契約書の印紙代や消防許可料など
保険料：請負業者賠償責任保険や労災上乗せ保険など
通信交通費：材料運搬代や交通費や駐車料金など
補償費：近隣対策代や万が一のトラブル時の補償代など
これらの経費は、工事会社や現場の規模や状況によって異なりますが、工事の品質や安全性を確保するために必要な費用です。例えば、労務管理費は、作業員の教育や指導を行うことで、ミスや事故を防ぎます。また、保険料は、万が一のトラブル時に被害者や施主に補償を行うことで、安心して工事を依頼できます。

一般管理費とは

一般管理費とは、工事会社が運営するために必要な経費のことで、以下のようなものがあります。

 

労務費：営業や社内管理にかかる人件費や福利厚生費など
減価償却費：車両や機器類の償却代など
広告宣伝費：チラシやWEBサイトなどの広告代など
事務用品費：事務用消耗品や雑誌購読料など
事務所家賃：オフィスや倉庫などの家賃や光熱水道代など
これらの経費は、工事会社の規模や業績によって異なりますが、工事会社の信頼性や透明性を高めるために必要な費用です。例えば、労務費は、営業や社内管理を行うことで、施主とのコミュニケーションや見積もりの作成をスムーズに行います。また、広告宣伝費は、工事会社の実績や評判を広く知らせることで、施主の選択肢を増やします。

諸経費の相場はどれくらい？業者ごとの違いや注意点

外壁塗装の見積もりに含まれる諸経費の相場は、工事費の5％～15％程度と言われています。しかし、業者によって諸経費の計上方法や金額は異なります。以下に、業者ごとの違いや注意点を示します。

諸経費を明確に計上する業者

諸経費を別項目として見積もりに記載し、その内訳や根拠を説明できる業者です。この場合、諸経費が高く見えるかもしれませんが、逆に工事費が安くなっている可能性があります。また、諸経費が明確になっていることで、工事の品質や安全性にも信頼が持てます。

 

諸経費を工事費に含める業者

諸経費を別項目として見積もりに記載せず、工事費に含めてしまう業者です。この場合、諸経費が無いように見えますが、実際には工事費に上乗せされています。また、諸経費が不透明なことで、工事の品質や安全性にも疑問が残ります。

 

諸経費を取らない業者

諸経費を別項目としても工事費に含めても見積もりに計上しない業者です。この場合、諸経費が不要なように見えますが、実際には必要な経費を削っているか、他の項目で不当に高く設定しているかのどちらかです。どちらにしても、工事の品質や安全性は低下することが予想されます。

 

以上のように、外壁塗装の見積もりでは、諸経費だけでなく、他の項目とのバランスや内容もしっかりと確認する必要があります。また、見積もりだけで判断せずに、業者の実績や評判も参考にすることが大切です。

諸経費を取らない業者は優良なのか？メリットとデメリット

外壁塗装の見積もりで諸経費を取らない業者は優良な業者なのでしょうか？一見すると、余計な費用がかからないように思えますが、実際にはメリットよりもデメリットの方が多いです。以下にその理由を説明します。

諸経費を取らない業者のメリット

最初から最後まで見積もり金額が変わらない可能性が高いことです。諸経費を取らない業者は、工事前に必要な経費をすべて算出しておきます。そのため、工事中に追加料金が発生しないというメリットはありますが、それ以外にはあまりメリットはありません。

諸経費を取らない業者のデメリット

工事の品質や安全性が低下すること

諸経費を取らない業者は、必要な経費を削っているか、他の項目で不当に高く設定しているかのどちらかです。どちらにしても、工事の品質や安全性には影響が出ます。例えば、現場管理費を削ると、作業員の教育や管理が不十分になり、ミスや事故のリスクが高まります。また、保険料を削ると、万が一のトラブル時に補償が受けられない可能性があります。

業者の信頼性や透明性が低下すること

諸経費を取らない業者は、見積もりに含まれる項目や内容を明確に説明できないことが多いです。そのため、業者の信頼性や透明性に疑問が残ります。例えば、工事費に含めてしまった諸経費の内訳や根拠を聞いても、曖昧な回答しか得られないかもしれません。また、諸経費を不要だと言っておきながら、工事中に別途料金を請求するような悪質な業者も存在します。

外壁塗装の見積もりに含まれる諸経費についてよくある質問と回答

 

Q1. 諸経費の見積もりは、どのようにして算出されるのですか？ A1. 諸経費の見積もりは、工事会社が自社の経営状況や工事現場の条件に基づいて算出します。一般的には、工事費の5％～15％程度が目安とされていますが、業者によって異なります。見積もりを比較する際には、諸経費だけでなく、他の項目とのバランスや内容も確認することが重要です。

 

Q2. 諸経費を安くする方法はありますか？ A2. 諸経費を安くする方法は、工事会社と交渉することです。しかし、諸経費は工事の品質や安全性にも関係するため、あまり安くしすぎると、工事の質が低下したり、トラブルが発生したりするリスクが高まります。適正な諸経費を支払うことで、工事会社と良好な関係を築き、工事の成功につなげることができます。

 

Q3. 諸経費を含めた見積もりの相場はどれくらいですか？ A3. 諸経費を含めた見積もりの相場は、外壁塗装の種類や規模によって異なります。一般的には、外壁塗装の総額見積もりは、建物の延べ床面積（1階部分）×単価（1平方メートルあたり）で算出されます。単価は、塗料の種類や品質によって変わりますが、おおよそ10,000円～30,000円程度が相場です。例えば、延べ床面積が100平方メートルで単価が20,000円だとすると、外壁塗装の総額見積もりは2,000,000円になります。このうち諸経費は10％と仮定すると、200,000円になります。

まとめ

外壁塗装の見積もりに含まれる諸経費は、工事に直接関係しない経費です。諸経費の相場は、工事費の5％～15％程度ですが、業者によって異なります。諸経費の内訳や根拠を明確に説明できる業者を選ぶことで、工事の品質や安全性を確保できます。