外壁のツタを放置は危険!跡を残さず除去する全手法と再発防止策

「家の外壁に生えたツタが、いつの間にか壁一面に広がってしまった…」

 

「見た目は好きだったけれど、建物のためには除去した方がいいと聞いた」

 

「ツタを剥がしてみたら、無数の跡が残ってしまい、どうすればいいか分からない」

 

外壁のツタは、緑豊かな美しい景観を演出してくれる一方で、建物の寿命を縮める深刻な問題を引き起こす可能性があります。そして、いざ除去しようとすると、頑固な「ツタの跡」に頭を悩ませる方は少なくありません。

 

この記事では、そんな外壁のツタに関する悩みを解決する方法をお届けします。

この記事でわかること
  • ツタを放置する具体的なリスク
  • ツタの跡がなぜ落ちにくいのか、その原因
  • 自分でできるDIYでのツタ跡除去方法
  • プロに任せる安心の専門業者による除去
  • 二度とツタに悩まないための再発防止策
  • 外壁材別の注意点

この記事をお読みになれば、あなたの家の状況に応じたツタの跡の除去方法が分かり、美しく健全な外壁を取り戻すことができるでしょう。

外壁のツタを放置する4つのリスク

景観を彩るツタですが、その生命力は建物を静かに蝕んでいきます。放置することで、具体的にどのようなリスクがあるのでしょうか。

外壁材の劣化と損傷

ツタは「気根」と呼ばれる根を壁に張り巡らせ、時には外壁材の小さな隙間やひび割れに侵入します。これが外壁の塗装を剥がし、モルタルやサイディングを傷つける直接的な原因となります。気根が水分を含むことで、冬場には凍害を引き起こし、外壁のひび割れをさらに深刻化させることもあります。

雨漏りの原因に

ツタが屋根や窓のサッシ周りまで伸びると、その隙間から雨水が浸入し、雨漏りの原因となることがあります。雨漏りは建物の構造材を腐食させ、大規模な修繕が必要になるケースも少なくありません。

害虫の温床になる

ツタが密集した場所は、湿気がこもりやすく、ゴキブリ、ムカデ、クモなどの害虫にとって絶好の隠れ家となります。これらの害虫が家の内部に侵入してくる可能性も高まります。

建物の資産価値の低下

外壁の損傷や汚れは、建物の美観を損なうだけでなく、資産価値そのものを低下させる要因となります。将来的に売却などを考えている場合、手入れの行き届いていない印象を与え、マイナスの評価につながりかねません。

ツタの跡がきれいに落ちない理由

ツタを剥がした後に残る、無数の点々とした跡。これが多くの人を悩ませる「ツタの跡」の正体であり、その主成分はツタが壁に張り付くために出す「気根」です。

 

ツタは気根の先端から炭酸カルシウムを含む接着物質を分泌し、壁の凹凸にがっちりと固着します。これは、単に壁に付着しているだけでなく、化学的に結合している状態に近いのです。そのため、ツタ本体を取り除いても、この気根の跡だけが頑固に残り続けてしまいます。

 

この跡は非常に強力で、完全に除去するのはプロでも難しい作業です。しかし、適切な方法で根気よく対処することで、目立たなくさせることは十分に可能です。

外壁のツタ除去を自分でおこなう

費用を抑えたい、自分の手でやってみたいという方のために、DIYでの除去方法を解説します。

 

ただし、DIYで行うのは、脚立を使わずに安全に手が届く範囲に限定してください。2階以上に及ぶ高所作業は、転落などの重大な事故につながる危険性が非常に高いため、絶対にやめましょう。

安全に作業するための準備

作業を始める前に、必ず以下の保護具を装着してください。

  • 保護ゴーグル・メガネ: 削り取った跡の破片やホコリが目に入るのを防ぎます。
  • 防塵マスク: ホコリやカビの胞子などを吸い込まないようにします。
  • 厚手の手袋: 手の怪我や汚れを防ぎます。
準備する道具リスト
  • スクレーパー(皮すき): 主にこの道具で跡を削り取ります。金属製やプラスチック製があります。
  • ワイヤーブラシ: 硬いブラシで削り落とす際に使用しますが、外壁を傷つけやすいため注意が必要です。
  • カッター: ツタの太い茎を切る際に使用します。
  • トーチバーナー: 跡を焼き切るための最終手段。火の取り扱いには最大限の注意が必要です。
  • ほうき、ちりとり、ゴミ袋: 作業後の清掃用具。

外壁のツタを除去する手順

ステップ1:ツタ本体を剥がす

まず、壁に残っているツタ本体を丁寧に取り除きます。

 

枯らしてから作業する: 生きているツタは水分を含んでおり、剥がしにくいです。除草剤を根元に散布するか、根元でツタの茎を切り、数週間から数ヶ月放置して完全に枯らしてから作業すると、格段に剥がしやすくなります。

 

ゆっくりと剥がす: 勢いよく引っ張ると、塗装や外壁材ごと剥がれてしまう可能性があります。壁とツタの間にスクレーパーを入れながら、少しずつ慎重に剥がしていきましょう。

ステップ2:残ったツタ跡の除去

ツタ本体がなくなったら、いよいよ本丸の「跡」の除去に取り掛かります。

方法A:物理的に削り取る

これが最も基本的な方法です。スクレーパーや皮すきを使い、跡をカリカリと削り取っていきます。

  • コツ: 壁に対して斜めの角度で刃を当て、一定の方向に削ると効率的です。力を入れすぎると外壁を傷つけるので、根気よく少しずつ進めましょう。
  • ワイヤーブラシの使用: モルタル壁など、比較的丈夫な外壁材にはワイヤーブラシも有効です。しかし、サイディングなどのデリケートな外壁は傷だらけになる可能性が高いため、使用は避けるか、目立たない場所で試してからにしてください。

方法B:トーチバーナーで焼き切る

削り取っても残ってしまう頑固な跡には、トーチバーナーで焼き切るという方法があります。

手順: バーナーの火を跡に直接当て、炭化させます。炭化した跡は、ワイヤーブラシなどで軽くこすると落とすことができます。

注意点
  • 火災の危険: 可燃物の近くでは絶対に使用しないでください。作業前には必ず周囲の安全を確認し、消火用の水を用意しておきましょう。
  • 焦げ跡: 壁に焦げ跡が残る可能性があります。後で塗装を行う予定がある場合は有効な下地処理になりますが、そうでない場合は焦げ跡がそのまま残ることを覚悟してください。
  • 外壁材への影響: 高温で外壁材が変質したり、ひび割れたりするリスクもあります。

DIYの限界と注意点 - 無理は禁物!

繰り返しになりますが、DIYには限界があります。

  • 高所作業は絶対にしない。
  • 跡は完全には消えない可能性があることを理解しておく。
  • 作業によって外壁を傷つけてしまうリスクがある。

少しでも作業に不安を感じたり、範囲が広かったりする場合は、無理をせず専門業者に相談することを強くお勧めします。

外壁のツタ除去はプロに任せるのが安心!

高所作業や広範囲に及ぶツタの除去は、専門業者に依頼するのが賢明です。費用はかかりますが、安全性、仕上がりの美しさ、そして手間を考えれば、十分にその価値はあります。

業者に依頼すべきケース
  • ツタが2階以上の高さまで伸びている
  • ツタが壁面全体など、広範囲に広がっている
  • 自分で作業する時間がない、または自信がない
  • 除去後の外壁塗装も検討している
  • 確実で美しい仕上がりを求めている

外壁のツタ除去で失敗しない!専門業者の選び方

業者選びは、仕上がりと満足度を左右する重要なポイントです。以下の点を確認しましょう。

専門業者を選ポイント
  1. 実績と専門性: 外壁塗装や防水工事の専門業者を選びましょう。ツタの除去だけでなく、その後の外壁の状態まで考慮した適切な処置が期待できます。ウェブサイトで施工事例を確認するのがおすすめです。
  2. 明確な見積もり: 「ツタ除去一式」といった曖昧な見積もりではなく、「足場代」「高圧洗浄費」「廃材処分費」など、作業内容と費用の内訳が明確に記載されているかを確認しましょう。
  3. 現地調査の有無: 必ず事前に現地調査を行い、壁の状態やツタの範囲を直接確認してくれる業者を選びましょう。
  4. 損害保険への加入: 万が一、作業中に建物や近隣の所有物に損害を与えてしまった場合に備え、損害賠償責任保険に加入しているかを確認しておくと安心です。

専門業者による作業の流れ

一般的な作業の流れは以下の通りです。

  1. 問い合わせ・現地調査・見積もり: まずは電話やウェブサイトから相談し、現地調査の日程を調整します。
  2. 足場の設置: 安全かつ効率的に作業するため、建物の周囲に足場を組みます。
  3. ツタの除去・跡の処理: 高圧洗浄機や専用の道具、薬品などを用いて、ツタと跡を徹底的に除去します。
  4. 外壁の補修・塗装: ツタによって傷んだ外壁のひび割れなどを補修し、必要に応じて外壁塗装を行います。ツタの除去と外壁塗装を同時に行うと、足場代が一度で済むため、トータルコストを抑えることができます。
  5. 清掃・足場の解体: 周辺をきれいに清掃し、足場を解体して作業完了です。

気になる費用の目安

費用は建物の大きさやツタの範囲、作業内容によって大きく変動しますが、一般的な目安は以下の通りです。

  • 2階建て一軒家(ツタ除去のみ): 30,000円~80,000円程度
  • 3階建て一軒家(ツタ除去のみ): 60,000円~100,000円程度

これに加えて、足場の設置が必要な場合は別途15万円~25万円程度、高圧洗浄や廃材処分費などが加算されます。外壁塗装も同時に行う場合は、塗装費用も含まれます。複数の業者から相見積もりを取り、費用と作業内容を比較検討することをお勧めします。

二度と悩まない!ツタの再発を防ぐための徹底対策

苦労してツタを除去しても、根が残っていれば翌年にはまた生えてきてしまいます。除去作業と合わせて、必ず再発防止策を行いましょう。

1. 根を掘り起こして除去する

最も確実で根本的な対策は、地面にあるツタの根を掘り起こして取り除くことです。スコップなどで周辺の土を掘り、根をできる限り取り除きましょう。狭い場所などで物理的に除去できない場合もあります。

2. 除草剤を効果的に使用する

根の除去が難しい場合や、念入りに対策したい場合は除草剤が有効です。

 

種類: 葉から吸収させて根まで枯らす「茎葉処理剤」と、地面に撒いて根から吸収させる「土壌処理剤」があります。状況に応じて使い分けましょう。

注意点:周辺の植木や芝生も枯らしてしまう可能性があります。風のない日に、対象の植物にのみ散布するようにしてください。

製品の注意書きをよく読み、適切な濃度、方法で使用してください。

3. 防草シートを敷く

根を除去した後の地面に、防草シートを敷き詰めるのも非常に効果的です。物理的に光を遮断し、ツタが地面から生えてくるのを防ぎます。

4. 定期的な点検

年に数回、建物の周りをチェックする習慣をつけましょう。もし新しいツタの芽を見つけたら、小さいうちに抜き取ってしまうことで、広がるのを未然に防ぐことができます。

【外壁材別】ツタ跡除去の注意点

外壁材の種類によって、作業の注意点が異なります。

注意点
  • 窯業系・金属系サイディング:表面に施されている防水コーティングを傷つけないことが最も重要です。金属製の硬いワイヤーブラシは避け、プラスチック製や木製のスクレーパー(皮すき)で慎重に作業してください。高圧洗浄も、圧力が強すぎるとコーティングを傷める原因になるため注意が必要です。
  • モルタル・コンクリート:比較的丈夫なため、ワイヤーブラシやトーチバーナーも使用しやすい素材です。ただし、塗装がされている場合は塗装ごと剥がれてしまう可能性が高いです。また、既存のひび割れ(クラック)を広げないように注意が必要です。
  • タイル:タイル自体は硬く丈夫ですが、問題は「目地」です。目地に気根が入り込んでいる場合、無理に剥がそうとするとタイルごと剥がれ落ちてしまう危険があります。非常にデリケートな作業が求められるため、タイル外壁の場合は専門業者に相談するのが最も安全です。

まとめ:外壁のツタを放置は危険!跡を残さず除去する全手法と再発防止策

外壁のツタの跡は、見た目の問題だけでなく、建物の健康を左右するサインでもあります。

  • DIYは安全な範囲で: 手の届く範囲の小さな跡であれば、この記事で紹介した方法でDIYに挑戦してみるのも良いでしょう。ただし、安全対策は万全に。
  • 迷ったらプロに相談: 高所作業や広範囲の除去、そして美しい仕上がりを求めるなら、迷わず専門業者に相談してください。複数の業者から見積もりを取り、信頼できるパートナーを見つけることが成功の鍵です。
  • 再発防止を忘れずに: 除去作業とセットで再発防止策を行うことで、長期的に美しい外壁を維持できます。

ツタの跡の除去は、根気のいる作業です。しかし、適切に対処することで、建物の美観と寿命を守ることができます。この記事が、あなたの悩みを解決し、大切な住まいを守るための一助となれば幸いです。安全を最優先し、無理のない計画で、美しく健全な外壁を取り戻しましょう。

ご注意

※この記事は、一般的な情報提供を目的としたものであり、法律や税務に関する専門的なアドバイスを提供するものではありません。具体的なアドバイスについては、専門家にご相談ください。

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