外壁塗装で防水シートを使うメリットとデメリット|失敗しないために知っておきたいこと

外壁塗装をおこなうとき、塗装箇所によっては防水工事が必要になることがあります。

 

防水工事とは、外壁や屋根の下に「防水シート」というシートを貼り付けることで、雨水や湿気から建物を保護する工事です。

 

防水シートは大きくわけて3種類あり、それぞれ価格相場がことなります。

 

防水シートが必要な理由を知っていただき、実際に工事をおこなう際にはお役立てください。

外壁塗装で使う防水シートとは

 

防水シートとは、外壁や屋根の下に敷かれる、水分を通さない薄い布のようなものです。

 

防水シートは、外壁材や屋根材から浸入した雨水が、家の骨組みや内部にまで入り込んでしまうのを防ぐ役割を果たします。

 

たとえば、サイディングやモルタルという外壁材は、雨漏りや結露から家を守るために、防水シートが貼られています。

 

防水シートは、塩化ビニルや合成ゴムなどの素材で作られています。

 

それぞれに特徴がありますが、一般的には塩化ビニルの方が耐久性が高く、合成ゴムの方が伸縮性が高いと言われています。

 

防水シートは、接着剤や金具などで下地に固定されます。

 

その際には、シート同士の重ねやつなぎ目の処理に注意しなければなりません。

 

そうしないと、雨漏りの原因になってしまうからです。

防水シートの種類と価格相場

 

防水シートは、素材やサイズなどで種類が異なります。それぞれに特徴や価格相場があります。

 

自分の家に合った防水シートを選ぶためにも、種類と見積価格を知っておきましょう。

 

素材 特徴 耐久年数 見積価格(㎡あたり)
塩化ビニル製 耐久性や耐候性に優れる。色や柄が豊富。物理的な衝撃で割れやすい。環境にやさしくない。 10年~20年 3,500~7,500円
合成ゴム製 伸縮性や柔軟性に優れる。色褪せしにくい。環境にやさしい。耐久性や耐候性は塩化ビニル製より劣る。火気に弱い。 10年~15年 2,500~7,000円
透湿防水シート 水分を通さないが水蒸気は通す。雨漏りを防ぎながらも内部の湿気を外に逃がす。結露やカビを防ぐ。タイベックや雨ざらしという商品名で知られる。 10年~15年 1,000~3,000円

外壁塗装で防水シートを使うメリット

 

外壁塗装における防水工事では、防水シート以外にも塗膜防水やアスファルト防水という方法があります。

 

それらと比べて、防水シートを使うメリットは何でしょうか?

 

以下に3つあげてみました。

耐久性が高い

防水シートは、塗膜防水よりも耐久性が高いと言われています。

 

塗膜防水は、液体状の塗料を屋根や外壁に塗って防水する方法です。

 

しかし、塗料は紫外線や温度変化などで劣化しやすく、10年~15年程度で再塗装が必要です。

 

一方、防水シートは、ゴム製なら10年~15年、塩化ビニル製なら10年~20年もの耐久年数があります。

 

また、アスファルト防水よりも軽量であるため、屋根への負担も少なくなります。

価格が安い

防水シートは比較的安価です。

 

塩化ビニル製なら約3,500~7,500円/㎡、ゴム製なら約2,500~7,000円/㎡くらいの価格で工事できます。

 

それに比べて、塗膜防水のウレタン製は4,500~7,000円/㎡、FRP製は6,000~8,000円/㎡、アスファルト製は5,500~8,500円/㎡程度の費用を要します。

 

また、工期も短く済むため、工事費も抑えられます。

広い範囲を施工しやすい

防水シートは、広い範囲を施工するのに適しています。特に、四角形の場所にはぴったりです。

 

たとえば、陸屋根や平屋根などの防水工事によく使われます。

 

防水シートは、改修時には古い防水材の上にそのままかぶせて工事できるため、工期が短くなります。

 

また、シートのサイズや色も豊富に選べるため、デザイン性も高まります。

外壁塗装で防水シートを使うデメリット

 

防水シートにはデメリットもあります。

 

以下に3つ挙げてみました。

複雑な形状の場所には適していない

防水シートは、薄い膜を貼り付ける方法です。そのため、複雑な形状の場所には適していません。

 

たとえば、ベランダやバルコニーなどの防水工事には不向きです。

 

そういう場所に防水工事を施したい場合は、液体状の塗料で施工する塗膜防水のほうが向いています。

 

塗膜防水は、液体が固まって膜を作るため、形状に合わせて塗れます。

騒音がする恐れがある

防水シートを施工する際には、騒音がする恐れがあります。

 

特に、機械を使ってシートを下地に固定する方法では、金具を打ち付ける音やドリル音などが発生します。

 

これらの音は、施工するビルやマンションの最上階にいる人にとってはかなりうるさく感じられることがあります。

 

また、近隣住民や通行人にも迷惑をかける可能性があります。

つなぎ目を十分に接着しないと雨漏りする

防水シートを施工する際には、つなぎ目の接着具合に注意しなければなりません。

 

つなぎ目とは、シート同士が重なった部分や窓や配管などの開口部周辺の部分です。

 

これらの部分が不十分に接着されていると、雨水が侵入してしまう可能性があります。

 

その結果、雨漏りや結露などの問題が発生することがあります。

防水シートの施工方法とメンテナンス

 

防水シートの施工方法は、主に以下の3つに分けられます。

接着剤で貼る方法

接着剤で貼る方法は、防水シートを下地に接着剤で貼り付ける方法です。

 

この方法は、騒音が少なく、施工時間も短いというメリットがあります。

 

しかし、接着剤の量や均一性に注意しなければなりません。

 

また、接着剤が乾くまで時間がかかるため、雨天時には施工できません。

金具で固定する方法

金具で固定する方法は、防水シートを下地に金具で固定する方法です。

 

この方法は、接着剤よりも強力に固定できるため、風圧や地震などにも耐えられるというメリットがあります。

 

しかし、騒音が大きく、金具の位置や数に注意しなければなりません。

 

また、金具の部分から雨漏りする可能性もあります。

熱溶着する方法

熱溶着する方法は、防水シートを下地に熱溶着機で溶かして貼り付ける方法です。

 

この方法は、接着剤や金具を使わないため、騒音も少なく、雨漏りもしにくいというメリットがあります。

 

しかし、熱溶着機を扱う技術や経験が必要です。また、熱溶着機の故障や火災の危険もあります。

 

防水シートのメンテナンスは、定期的に点検や清掃をおこなうことが大切です。

 

特に、つなぎ目や開口部周辺、金具の部分などは、雨漏りの原因になりやすいため注意してください。

 

防水シートに傷や汚れがあれば、早めに補修や交換をおこなってください。

外壁塗装における防水シートについてよくある質問

 

防水シートとは何ですか?

防水シートとは、外壁の下地に貼り付けることで、雨水や湿気から建物を保護するシートのことです。
防水シートには、透湿防水シートやアスファルトフェルトなどの種類があります。

 

防水シートの種類によって、どのような違いがありますか?

防水シートの種類によって、耐久性や透湿性、施工方法などが異なります。
透湿防水シートは、外部からの水分を防ぎながら、内部の湿気を逃がすことができるため、結露やカビを防ぐ効果があります。

 

アスファルトフェルトは、水分や湿気を通さないため、モルタル外壁などに適しています。

 

防水シートの費用相場はどれくらいですか?

防水シートの費用相場は、使用するシートの種類や施工面積によって異なりますが、一般的には約2,500~7,500円/㎡程度です。
塩化ビニル製のシートは約3,500~7,500円/㎡、合成ゴム製のシートは約2,500~7,000円/㎡くらいです。

外壁塗装で防水シートを使うメリットとデメリット|失敗しないために知っておきたいことまとめ

外壁塗装で使用する防水シートの種類や特徴、価格相場について紹介しました。

 

防水シートの種類や特徴、価格相場、施工方法やメンテナンスなどを知ることで、自分の家に合った防水シートを選ぶことができます。

 

外壁塗装をおこなう際には、防水シートの特徴や役割、費用相場について知っておくことで、業者の見積もり内容を理解できるでしょう。