外壁塗装で塗装できない箇所はどこ?塗装すると失敗する可能性がある素材とは

外壁塗装で塗れる箇所と塗れない箇所を知っていますか?

 

外壁塗装をおこなう際は、外壁部分だけでなく、屋根や付帯部分もまとめて塗ることがおすすめです。

 

しかし、コンクリートやアルミ、ガラスなどは塗装しないほうが良い場合もあります。

 

また、塗れない箇所に対する代替策もご紹介しますので、外壁塗装を検討されている方はぜひ参考にしてください。

外壁塗装ができない6つの条件

 

外壁塗装ができない条件として、以下の6つが挙げられます。

 

  1. 光触媒や撥水塗料など特殊なコーティングを施している外壁
  2. サイディングを直張りしている
  3. 隣の建物と30センチ以上の空間がとれない
  4. 塗装できない屋根材を使用している
  5. 築年数が長く、下地材の状態が悪い
  6. 外壁に大きな亀裂や破損がある

 

それぞれの条件について詳しく見ていきましょう。

光触媒や撥水塗料など特殊なコーティングを施している外壁

光触媒や撥水塗料は、汚れやカビを防ぐ効果がありますが、その分塗り替えが難しくなります。

 

これらのコーティングは、通常の塗料と相性が悪く、上から塗っても剥がれやすくなったり、ムラになったりします。

 

また、光触媒は紫外線によって劣化するため、長期間放置すると色あせや白化現象が起こります。

サイディングを直張りしている

サイディングは、外壁材の一種で、軽量で耐久性に優れています。

 

しかし、サイディングを下地材に直接貼り付けている場合は、塗装することができません。

 

これは、サイディングと下地材の間に隙間がなく、空気や水分の通り道がないためです。

 

塗装すると、サイディングと下地材の間に水分が溜まり、腐食やカビの原因になります。

隣の建物と30センチ以上の空間がとれない

外売塗装をするには、足場を組む必要があります。

 

足場を組むためには、隣の建物と30センチ以上の空間が必要です。

 

しかし、都市部では敷地が狭くて隣接する建物との距離が十分に取れない場合もあります。

 

この場合は、足場を組むことができず、塗装することもできません。

塗装できない屋根材を使用している

屋根材にもさまざまな種類がありますが、中には塗装できないものもあります。

 

例えば、スレート屋根や金属屋根は塗装可能ですが、瓦屋根やスレート瓦屋根は塗装できません。

 

これは、瓦屋根やスレート瓦屋根は、表面に凹凸が多く、塗料が均一に塗れないためです。

 

また、瓦屋根やスレート瓦屋根は、重量が重く、塗料の重さで屋根に負担がかかるのも理由の一つです。

築年数が長く、下地材の状態が悪い

築年数が長くなると、下地材の状態も劣化していきます。

 

下地材とは、外壁材の裏側にある木材やモルタルなどの素材のことです。

 

下地材が傷んでいると、外壁材にも影響が出てきます。

 

例えば、下地材が腐っていると、外壁材にもカビやシミが発生したり、剥がれたりします。

 

この場合は、塗装だけでは解決できず、下地材の補修や交換が必要になります。

外壁に大きな亀裂や破損がある

外壁に大きな亀裂や破損がある場合は、塗装することができません。

 

これは、亀裂や破損から水分が侵入し、外壁の内部に腐食やカビを発生させる恐れがあるためです。

 

また、亀裂や破損は、外壁の強度を低下させる原因にもなります。

 

この場合は、塗装前に亀裂や破損を補修する必要があります。

外壁塗装ができない場合の対処法

 

外壁塗装ができない場合でも、諦める必要はありません。

 

以下のような対処法があります。

 

  1. カバー工法や張り替え工法などの外壁リフォームを検討する
  2. 難付着サイディングにも対応できる下塗りやクリヤー塗料を選ぶ
  3. 塗装業者による外壁診断や見積もりを依頼する

 

それぞれの対処法について詳しく見ていきましょう。

カバー工法や張り替え工法などの外壁リフォームを検討する

外壁塗装ができない場合でも、外壁リフォームなら可能な場合もあります。

 

外壁リフォームとは、既存の外壁材をそのまま残したり取り除いたりして、新しい外壁材を貼り付ける工事のことです。

 

外壁リフォームには、以下のような方法があります。

 

カバー工法
既存の外壁材の上から新しい外壁材を貼り付ける方法です。
工期や費用は比較的安く済みますが、既存の外壁材の劣化状況によっては適用できない場合もあります。

 

張り替え工法
既存の外壁材を取り除いて新しい外壁材を貼り付ける方法です。
工期や費用は高くなりますが、下地材の補修や交換もできるため、外壁の強度や耐久性を高めることができます。

 

リシン工法
既存の外壁材に特殊な樹脂を吹き付けてコーティングする方法です。
工期や費用は低く済みますが、外壁の見た目や色は変わりません。

 

外壁リフォームの方法は、外壁の状態や予算によって選ぶことができます。

 

どの方法が最適かは、専門の業者に相談することをおすすめします。

難付着サイディングにも対応できる下塗りやクリヤー塗料を選ぶ

サイディングを直張りしている場合でも、塗装することができないわけではありません。

 

塗装できない理由は、サイディングと塗料の密着性が低いためです。

 

しかし、密着性を高めることができる下塗りやクリヤー塗料を使えば、塗装することが可能になります。

 

下塗りとは、本塗りの前に行う下地処理のことです。
下塗りをすることで、サイディングの表面を滑らかにし、塗料の密着性を高めます。
難付着サイディング専用の下塗り剤やプライマーなどがあります。

クリヤー塗料とは、透明な塗料のことです。
クリヤー塗料を使うことで、サイディングの色や質感をそのまま残しながら、汚れや紫外線から保護することができます。
難付着サイディング専用のクリヤー塗料やウレタン樹脂などがあります。

 

下塗りやクリヤー塗料を使う場合は、専門的な技術や知識が必要です。

 

また、効果や持続性は通常の塗装よりも劣る場合もあります。

 

そのため、自分で行うよりも、プロに依頼することをおすすめします。

塗装業者による外壁診断や見積もりを依頼する

外壁塗装ができない場合でも、最終的には専門の業者に相談することが大切です。

 

業者によっては、無料で外壁診断や見積もりを行ってくれるところもあります。

 

外壁診断では、外壁の状態や劣化度をチェックしてくれます。

 

見積もりでは、工事内容や費用を明確にしてくれます。

 

これらの情報をもとに、自分の家に合った最適な方法を選ぶことができます。

外壁塗装で塗装できる箇所

 

外壁塗装で塗装できる箇所は、大きく分けて以下の3つです。

木部箇所

木部とは、破風板や軒天、帯板(幕板)、縁側、木製窓枠、木製の面格子などの部分です。

 

 

木部は、ウレタン塗料やオイルステインなどで塗装することができます。

 

木部の塗装は、木目や風合いを生かすことができますし、色や質感も豊富に選べます。

 

また、木部の塗装は、日焼けや腐食などから木材を保護する効果もあります。

 

木部の塗装には以下のようなメリットがあります。

 

見た目
木目や風合いを活かして自然な雰囲気を出すことができます。
色や質感も多彩に選べるので、好みやイメージに合わせてコーディネートできます。

 

耐久性
ウレタン塗料やオイルステインなどは水分や紫外線に強く、長持ちします。
また、防腐剤や防虫剤も含まれているので、カビやシロアリなどの被害を防げます。
※オイルステインとは、木材に染み込んで着色できるため、木の質感を生かすことができます。

 

コスト
木部の塗装は比較的安価で施工できます。
また、メンテナンスも簡単に行えるので、長期的に見てコスパが良いです。

金属箇所

金属箇所とは、屋根の雨押えや水切り、ダクトフード、霧よけ(ひさし)、雨戸、戸袋などの部分です。

 

金属は、さびや劣化が進むと見た目が悪くなるだけでなく、機能も低下します。

 

そのため、金属の塗装は定期的に行う必要があります。

 

金属の塗装は、ケレンという作業で古い塗料やさびを落としてから行います。

 

また、下地にはさび止め効果の高いエポキシ樹脂のさび止めを使います。

 

金属の塗装には以下のようなメリットがあります。

 

見た目
金属は光沢や色彩が豊かでモダンな印象を与えます。
また、フッ素樹脂やシリコン樹脂などの高級塗料を使えば色あせや汚れに強く、美しさが保てます。

 

耐久性
金属は強度や耐熱性が高く、風雨や火災にも強いです。
また、さび止めや防錆剤を使えばさびや腐食を防げます。

 

コスト
金属の塗装は一度に多くの面積を塗れるので、工期が短くなります。
また、塗料の種類や量によっては、木部やベランダよりも安く済む場合もあります。

ベランダ

ベランダとは、2階以上の住宅にある床面積が小さいバルコニーのことです。

 

ベランダは、外壁や屋根と同じように風雨にさらされるため、防水性や耐久性が必要です。

 

ベランダの塗装は、防水シートや防水コーティングなどで行います。

 

ベランダの塗装は、水漏れやカビなどのトラブルを防ぐだけでなく、色やデザインが自由に選べるのもポイントです。

 

ベランダの塗装には以下のようなメリットがあります。

見た目
ベランダは「家の顔」であり、外観に大きく影響します。
色やデザインを変えることで、家全体のイメージを変えることができます。
また、防水シートや防水コーティングは滑りにくくなるので、安全性にも貢献します。

 

耐久性
ベランダは水分や温度差によって劣化しやすいです。
防水シートや防水コーティングはこれらの影響を軽減し、ベランダの寿命を延ばします。
また、カビや汚れも防げるので、清潔に保つことができます。

 

コスト
ベランダの塗装は比較的簡単に行えるのが特徴です。
防水シートや防水コーティングは、メンテナンス回数も少なく済みます。
ただし、防水シートや防水コーティングは高価であるため、予算に合わせて選ぶ必要があります。

外壁塗装で塗装できない箇所

 

外壁塗装で塗装できない箇所としては、以下のような材質があります。

コンクリート素材

コンクリート素材の箇所とは、例えば住宅の基礎のような部分です。

 

コンクリートは表面が硬くて滑りやすいため、一般的な塗料では密着力が弱くて剥がれやすくなります。

 

また、コンクリートは呼吸性があって水分を吸ったり吐いたりするため、塗料が割れたり浮いたりする可能性もあります。

 

そのため、コンクリートは塗装しないほうが良い場合が多いです。

 

コンクリートを塗装しないほうが良い理由は以下の通りです。

見た目
コンクリートは無機質でシンプルな見た目が特徴的です。
しかし、表面を塗料で覆ってしまうと、その特徴が失われてしまいます。
塗料が剥がれたり浮いたりするリスクもあり、見た目が悪くなる可能性大です。

 

耐久性
コンクリートは強度や耐久性が高く、塗装する必要がありません。
塗装すると、水分や温度差によって塗料が劣化しやすくなります。
また、コンクリートの呼吸性を妨げると、内部に水分が溜まって膨張や収縮を起こしやすくなるのです。

 

コスト
コンクリートは塗装しないほうが安く済みます。
塗装すると、下地処理や塗料の種類や量もかさむため費用がかかります。
また、メンテナンスも頻繁に行う必要があるため管理に気が抜けません。

アルミ素材

アルミ素材の箇所とは、窓サッシなどの部分です。

 

アルミは、独特の光沢や色合いがあり、見た目がきれいなのが特徴です。

 

しかし、アルミに塗料を塗ってしまうと、その光沢や色合いが失われてしまいます。

 

また、アルミは熱に弱くて膨張や収縮が激しいため、塗料がひび割れたりはがれたりしやすくなるのです。

 

そのため、アルミは塗装しない方が良いといわれます。

 

アルミを塗装しないほうが良い理由は以下の通りです。

 

見た目
アルミは光沢や色彩が豊かでモダンな印象を与えます。
アルミを塗料で覆ってしまうと、その特徴が失われてしまいます。
また、塗料が剥離したり汚れたりすると、見た目が悪くなります。

 

耐久性
アルミは軽量で耐食性が高く、長持ちしする素材です。
塗装すると、熱による膨張や収縮によって塗料が劣化しやすくなります。
また、アルミの表面には酸化皮膜という自然な保護層がありますが、塗装するとこの層を傷つける可能性があるのです。

 

コスト
アルミは塗装しなければ、お金は一切かかりません。
塗装すると、下地処理や塗料の種類や量によって費用がかかります。
また、メンテナンスも頻繁に行う必要があるため維持費も想定しなければいけません。

ガラス素材

ガラス素材の箇所とは、窓ガラスなどの部分です。

 

ガラスは、透明で光を通すことで明るさや開放感を与える素材です。

 

しかし、ガラスに塗料を塗ってしまうと、その透明性や光沢が失われてしまいます。

 

また、ガラスは滑りやすくて塗料が密着しにくく、剥がれやすくなります。

 

そのため、ガラスは塗装しないほうが良い場合が多いです。

 

ガラスを塗装しないほうが良い理由は以下の通りです。

 

見た目
ガラスは透明で光沢があり、空間に広がりや奥行きを与えます。
これを塗料で覆ってしまうと、その特徴が失われてしまいます。
また、塗料がはく離したり汚れたりすると、見た目も悪くなってしまいます。

 

耐久性
ガラスは硬くて耐久性が高く、塗装する必要がありません。
塗装すると、水分や温度差によって塗料が劣化しやすくなります。
また、ガラスの表面には硬化層という自然な保護層がありますが、塗装するとこの層を傷つける可能性もあります。

 

コスト
ガラスは塗装しないほうが安く済みます。
塗装すると、下地処理や塗料の種類や量によって費用がかかります。
また、メンテナンスも頻繁に行う必要があります。

白木素材

白木の素材とは、ヒノキや杉などの白い木材を皮だけ剥いたもので、木目を生かした美しい建材です。

 

白木は、和室の柱などに使われることも多いです。

 

白木に塗料を塗ってしまうと、せっかくの風合いや木目が台無しになってしまいます。

 

そのため、白木は塗装しないほうが良い場合が多いです。

 

白木は、塗装ではなくカセイソーダなどを使った灰汁あらいで汚れや黒ずみを落とすことがおすすめです。

 

白木を塗装しないほうが良い理由は以下の通りです。

 

見た目
白木は木目や風合いが豊かで自然な雰囲気を出します。
これを塗料で覆ってしまうと、その特徴が失われてしまいます。
また、塗料が剥がれたり汚れたりすると、見た目が悪くなります。

 

耐久性
白木は呼吸性が高くて水分や温度差に強いです。
塗装すると、水分や温度差によって塗料が劣化しやすくなります。
また、白木の呼吸性を妨げると、内部に水分が溜まって膨張や収縮を起こしやすくなります。

 

コスト
白木は塗装しないほうが安く済みます。
塗装すると、下地処理や塗料の種類や量によって費用がかかります。
また、メンテナンスも頻繁に行う必要があります。

ドア

ドアとは、玄関ドアや室内ドアなどの部分です。

 

ドアは、使われている素材によって塗る・塗らないが変わります。

 

今の住宅では金属ドアや無垢の木材など素材の風合いを生かしたものが多く、塗らないほうが良い場合が多いです。

 

しかし、前に塗った塗料が剥げてきた場合は、新しく塗装したほうが良いです。

 

ドアを塗装しないほうが良い理由は以下の通りです。

 

美観
ドアは家の顔とも言える部分です。
金属ドアや無垢の木材などは素材の風合いを生かして高級感や温かみを出すことができます。
これを塗料で覆ってしまうと、その特徴が失われてしまいます。
また、塗料が剥離したり汚れたりすると、見た目が悪くなります。

 

耐久性
ドアは開閉や衝撃によって傷つきやすい部分です。
金属ドアや無垢の木材などは強度や耐久性が高く、塗装する必要がありません。
塗装すると、開閉や衝撃によって塗料が劣化しやすくなります。
また、ドアの表面には防水層や防汚層などの自然な保護層がありますが、塗装するとこの層を傷つける可能性もあります。

 

コスト
ドアは塗装しないほうが安く済みます。
塗装すると、下地処理や塗料の種類や量によって費用がかかります。
また、メンテナンスも頻繁に行う必要があります。

外壁塗装で塗装できない箇所についてよくある質問

 

外壁塗装で塗れない箇所とはどんなところですか?

外壁塗装で塗れない箇所とは、塗料と素材の相性が悪くて密着力が弱かったり、塗膜が劣化しやすかったりする箇所です。例えば、コンクリートやアルミ、ガラスなどは塗装しないほうが良い場合が多いです。

 

外壁塗装で塗れない箇所をそのままにしておくとどうなりますか?

外壁塗装で塗れない箇所をそのままにしておくと、見た目が悪くなったり、素材の劣化や機能低下を招いたりする可能性があります。例えば、コンクリートはひび割れや浮きやすくなったり、アルミはさびや変色しやすくなったり、ガラスは汚れやキズが目立ちやすくなったりします。

 

外壁塗装で塗れない箇所に対してはどうすればいいですか?

外壁塗装で塗れない箇所に対しては、専門の業者に相談して最適な方法を探すことがおすすめです。例えば、コンクリートは補修や防水処理を行ったり、アルミはフィルムやシートで覆ったり、ガラスはカーテンやブラインドで隠したりすることができます。

外壁塗装で塗装できない箇所はどこ?塗装すると失敗する可能性がある素材とはまとめ

外壁塗装で塗装できない箇所と塗装できる箇所について解説しました。

 

外壁塗装では、破風板や軒天などの付帯部分もまとめて塗ります。

 

しかし、コンクリートやアルミ、ガラスなどは塗らないほうが良いです。

 

塗らない箇所には、補修や防水処理などの方法があります。

 

外壁塗装で家全体をきれいにするためには、塗れる箇所と塗れない箇所を把握しておくことが大切です。