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【完全版】外壁のビス穴は雨漏りのサイン?放置する危険性とDIY補修方法、業者依頼の判断基準まで徹底解説

「DIYで防犯カメラを取り付けたい」「おしゃれな表札やガーデニング用の棚を設置したい」

 

ご自宅の外壁を自分好みにアレンジしたいと考えたとき、避けては通れないのが「外壁への穴あけ」です。しかし、ほんの数ミリのビス穴が、大切なお住まいの寿命を縮める深刻な雨漏りの原因になりかねないことをご存知でしょうか?

 

「たかがビス穴くらい大丈夫だろう」と安易に考えて放置してしまうと、数年後には大規模な修繕工事が必要になるケースも少なくありません。

 

この記事では、外壁のビス穴が引き起こす雨漏りのリスクから、ご自身でできる正しい補修方法、そして専門業者に依頼すべきケースの見極め方まで、分かりやすく解説します。最後までお読みいただければ、ビス穴に関する不安は解消され、適切な対処ができるようになるはずです。

外壁の小さなビス穴が引き起こす甚大な被害とは?

まずは、ビス穴を放置することで、具体的にどのようなリスクがあるのかを見ていきましょう。これは決して大げさな話ではなく、実際に多くの住宅で起こっている問題です。

1. 雨漏りによる室内への侵入

最も直接的で分かりやすい被害が「雨漏り」です。外壁に開いたビス穴は、雨水にとって格好の侵入口となります。最初は壁の内側をじわじわと濡らす程度でも、時間の経過とともに水の通り道が広がり、最終的には室内の天井や壁にシミを作ったり、ポタポタと水が垂れてきたりする事態に発展します。

2. 外壁材そのものの劣化と剥離

ビス穴から侵入した雨水は、外壁材の内部に滞留します。特に窯業系サイディングなどは、素材自体が水分を吸収しやすいため、冬場の凍結・融解を繰り返すことで表面がボロボロになる「凍害(とうがい)」を引き起こす可能性があります。また、水分によって塗装が内側から浮き上がり、塗膜が剥がれて外観を損なう原因にもなります。

3. 建物の構造躯体の腐食

外壁の内側には、建物を支える柱や梁といった「構造躯体」があります。木造住宅であれば木材が、鉄骨造であれば鉄骨が使われています。ビス穴から侵入した水分がこの構造躯体にまで達すると、木材は腐り、鉄骨は錆びてしまいます。
構造躯体の腐食は、建物の耐震性を著しく低下させる非常に深刻な問題です。普段は見えない部分だからこそ、気づいたときには手遅れになっているケースが多く、修繕には壁を剥がすなどの大規模な工事高額な費用が必要となります。

4. 断熱材の機能低下とカビの温床化

壁の内部には、住宅の快適性を保つための断熱材が充填されています。グラスウールなどの繊維系断熱材は、水分を含むと断熱性能が大きく低下してしまいます。その結果、「夏は暑く、冬は寒い家」になり、光熱費の上昇にもつながります。
さらに、湿った断熱材や木材は、カビにとって絶好の繁殖場所です。壁の内部で発生したカビは、アレルギーや喘息といった健康被害を引き起こす原因ともなり得ます。

5. シロアリの発生リスク増大

腐食した木材は、シロアリの大好物です。ビス穴からの雨漏りによって湿った木材は、シロアリを呼び寄せる原因となります。シロアリ被害が進行すると、建物の耐久性が著しく損なわれ、最悪の場合、倒壊の危険性も否定できません。

このように、たった一つの小さなビス穴が、最終的には建物の資産価値を大きく損なう様々な問題を引き起こす可能性があるのです。

なぜビス穴から雨水が侵入するのか?そのメカニズムを解明

「でも、あんなに小さな穴から、どうしてそんなにたくさんの水が入るの?」と疑問に思う方もいるでしょう。雨水がビス穴から侵入するのには、いくつかの科学的な理由があります。

理由1:毛細管現象(もうさいかんげんしょう)

非常に狭い隙間に液体が触れると、自ら吸い上げられていく現象を「毛細管現象」と呼びます。ビスと外壁材の間のごくわずかな隙間は、まさにこの毛細管現象が起こりやすい環境です。雨が降ると、壁を伝った雨水がこの隙間に吸い込まれるように侵入していきます。

理由2:ビス本体が水の通り道になる

打ち込まれたビスそのものが、雨水を壁の内部へと導く「橋渡し」の役割を果たしてしまいます。特にビスの頭が壁から浮いていたり、斜めに打ち込まれていたりすると、その隙間に水が溜まりやすくなり、より効率的に内部へ水を引き込んでしまうのです。

理由3:シーリング(コーキング)の経年劣化

ビスを打つ際に、防水処理としてビスの周りにシーリング材(コーキング材)を充填することがあります。このシーリング材は、紫外線や雨風にさらされることで、5年〜10年程度で硬化し、ひび割れや肉痩せ(やせ)を起こします。劣化したシーリング材は防水機能を失い、隙間から雨水が侵入する原因となります。

【DIY編】自分でできる!外壁ビス穴の正しい補修方法

被害の深刻さは分かったけれど、「業者を呼ぶほどではない小さな穴だから、自分で補修したい」と考える方も多いはずです。ここでは、DIYでビス穴を補修するための具体的な手順を解説します。

STEP 0:補修に必要な道具を準備しよう

まずは、作業に必要な道具を揃えましょう。ホームセンターで手軽に購入できるものばかりです。

  • シーリング材(コーキング材): 外壁材に合ったものを選びます。後述の「シーリング材の選び方」を参考にしてください。
  • コーキングガン: シーリング材を押し出すための道具です。
  • プライマー: シーリング材の密着性を高める下塗り材です。シーリング材と同じメーカーのものを選ぶと確実です。
  • マスキングテープ: 補修箇所以外を汚さないように保護(養生)するために使います。
  • ハケ(刷毛): プライマーを塗布する際に使います。
  • ヘラ: 充填したシーリング材を平らにならすために使います。
  • カッターナイフ、清掃用のウエス(布)、パーツクリーナーなど

STEP 1:穴とその周辺の徹底的な清掃

補修作業で最も重要なのが「下地処理」です。穴の中や周辺に汚れや油分が残っていると、プライマーやシーリング材がしっかりと密着せず、すぐに剥がれてしまいます。

 

まず、ビスが残っている場合は取り除きます。その後、ウエスやブラシを使って穴の周辺の砂埃や汚れを丁寧に取り除きましょう。油分が付着している場合は、パーツクリーナーなどを染み込ませたウエスで拭き取ります。最後に、補修箇所を完全に乾燥させます。

STEP 2:マスキングテープで正確に養生

補修する穴の周りを、マスキングテープで四角く囲います。シーリング材がはみ出して周囲を汚すのを防ぐための重要な工程です。テープは、穴の縁から1〜2mm程度離して、まっすぐに貼りましょう。この一手間が、仕上がりの美しさを大きく左右します。

STEP 3:プライマーを塗布して密着性をアップ

プライマーは、シーリング材と外壁材を強力に接着させるための「接着剤」の役割を果たします。これを塗るか塗らないかで、補修箇所の耐久性が大きく変わります。

 

マスキングテープで囲った部分に、ハケを使ってプライマーを薄く、均一に塗り込みます。この時、穴の中にもしっかりと塗り込むのがポイントです。塗り終えたら、製品に記載されている乾燥時間を守り、しっかりと乾かしてください。

STEP 4:シーリング材(コーキング材)を充填する

いよいよシーリング材を充填します。コーキングガンの先端(ノズル)を、穴の大きさに合わせてカッターで斜めにカットします。

 

ノズルの先端を穴にしっかりと押し当て、穴の奥から空気を押し出すように、ゆっくりと、そしてたっぷりとシーリング材を充填していきます。表面が少し盛り上がるくらいが適量です。

STEP 5:ヘラで表面を美しくならす

シーリング材を充填したら、すぐにヘラを使って表面をならします。ヘラをマスキングテープに対して少し斜めに当て、一定の力と速度で、奥から手前に向かってスーッと引くのがコツです。一度で決めようとせず、余分なシーリング材を取り除きながら、平滑な面に仕上げていきましょう。

 

STEP 6:マスキングテープの除去と完全乾燥
ヘラでならし終えたら、シーリング材が乾いてしまう前に、すぐにマスキングテープを剥がします。テープを剥がす際は、奥から手前に向かって、ゆっくりと真上に引き上げるように剥がすと、きれいに仕上がります。

 

あとは、シーリング材が完全に硬化するまで、触らずにじっくりと待ちます。天候にもよりますが、表面は約1日、内部まで完全に硬化するには数日かかる場合があります。

【コラム】外壁補修に最適なシーリング材の選び方

シーリング材には様々な種類があり、間違ったものを選ぶと早期劣化の原因になります。外壁のDIY補修で主に使用されるのは以下の2種類です。

 

変成シリコン系: 耐候性、耐久性に優れ、塗料を上から塗ることができるため、外壁の補修に最も適しています。サイディング、モルタル、ALCなど、ほとんどの外壁材に使用可能です。迷ったらこれを選んでおけば間違いありません。
ウレタン系: 密着性や耐久性に優れていますが、紫外線に弱いという弱点があります。そのため、使用後は必ず上から塗装を行う必要があります。塗装を前提とする場合には適しています。
※注意※
お風呂場などでよく使われる「シリコン系」シーリング材は、撥水性が高いため、上から塗装することができません。外壁に使用すると、将来の塗り替え時にその部分だけ塗料を弾いてしまうため、絶対に使用しないでください。

【予防策】外壁にビス穴を開ける前に知っておきたいこと

最善の策は、そもそも雨漏りの原因となる穴を開けないことです。ビスを打つ前に、以下の点を検討してみてください。

  • 本当に穴を開ける必要があるか?: 取り付けたいものによっては、強力な屋外用両面テープや接着剤で対応できる場合があります。特に軽量なものであれば、まずは穴を開けない方法を検討しましょう。
  • 穴を開ける場所を慎重に選ぶ: どうしても穴を開ける必要がある場合は、場所選びが重要です。水の流れ道になりやすい場所や、サッシ(窓枠)のすぐ上や下は避けましょう。また、外壁材の継ぎ目にあるシーリング部分への穴あけは、防水の要を破壊することになるため厳禁です。
  • プロの防水処理を真似る: 専門業者は、ビスを打つ前に穴の中にシーリング材を少量充填し、その上からビスを打ち込み、さらにビスの頭の上からもシーリングで防水処理を行います。この「ダブルの防水処理」を真似ることで、DIYでも防水性を格段に高めることができます。

DIYは危険?専門業者に依頼すべきケースと費用相場

DIYでの補修は手軽で魅力的ですが、すべてのケースで推奨されるわけではありません。以下のような場合は、無理をせず専門業者に相談することを強くお勧めします。

業者に依頼すべきケース

  • 高所での作業: 2階以上の壁など、はしごや脚立を使っても手が届かない、あるいは作業が不安定になる場所は非常に危険です。転落事故のリスクを避けるため、必ず専門業者に依頼してください。
  • 穴の数が多い、または大きい: 補修すべき穴が多数ある場合や、穴の直径が大きい場合は、DIYでは対応が難しく、防水性にも不安が残ります。
  • すでに雨漏りや壁の変状が見られる: 室内に雨染みがある、外壁の一部が膨らんでいる、塗装が広範囲で剥がれているといった症状は、すでに内部で問題が進行しているサインです。表面的な補修だけでは解決しないため、専門家による診断が必要です。
  • 外壁材の劣化が激しい: 外壁全体にひび割れや欠けが見られるなど、ビス穴以前に外壁そのものの耐久性が低下している場合は、根本的なメンテナンス(張り替えや塗装)が必要です。

信頼できる業者選びの3つのポイント

  • 相見積もりを取る: 複数の業者から見積もりを取り、価格だけでなく、工事内容や提案の質を比較検討しましょう。
  • 施工実績を確認する: その業者のウェブサイトなどで、同様の工事の実績が豊富にあるかを確認します。
  • 保証の有無を確認する: 施工後の保証(アフターフォロー)があるかどうかも、信頼できる業者を見極める重要なポイントです。

費用相場

ビス穴の補修にかかる費用は、状況によって大きく異なります。

  • 部分的なシーリング補修: 1箇所あたり数千円〜2万円程度。ただし、高所作業車などが必要な場合は別途足場代がかかります。
  • 外壁塗装: 足場代を含め、一般的な30坪程度の住宅で80万円〜150万円程度。
  • 外壁の張り替え・カバー工法: 足場代を含め、150万円〜300万円以上。

まとめ:大切な住まいを守るために、ビス穴の定期点検を習慣に

外壁のビス穴は、決して軽視してはいけない雨漏りの重要なリスク要因です。DIYで何かを取り付けた箇所はもちろん、過去にアンテナや給湯器などを設置・撤去した跡がないか、定期的にお住まいの外壁をチェックする習慣をつけましょう。

 

もし小さな穴を見つけたら、被害が拡大する前に、この記事を参考にしてご自身で補修にチャレンジしてみてください。そして、少しでも「難しいな」「危険だな」と感じたら、迷わずプロの業者に相談することが、結果的に時間と費用を節約し、大切なお住まいを長持ちさせる最善の策となります。